今回はチンチラさんの子宮蓄膿症のご紹介です。
「数日、食欲がない」とのことで来院されました。
レントゲン検査と超音波検査にて、子宮疾患が疑われました。
レントゲン画像では下腹部に何かあるのが分かります。
超音波検査では、濁った液体がたまった構造が2本確認できました。
子宮疾患は緊急性が高いことが多いため、当日の緊急手術を行うことになりました。
手術では、卵巣と子宮を摘出していきます。
お腹を開けると、お腹いっぱいに膨らんだ子宮が見えてきました。
子宮の壁はかなり薄くなり、中の白い液体が透けて見えています。
写真では片側の子宮しか見えていませんが、同じような子宮がもうひとつお腹の中にあります。
ここから慎重に血管を結んで摘出していきます。
子宮が大きく、大きめの傷口になってしまいましたが、無事に手術を終えることができました。
摘出した子宮の写真です。
左側は中身を抜いて正常なサイズになったところです。
摘出した子宮の中身を顕微鏡で確認すると、つぶつぶとした細菌が確認できました。
そのため、子宮蓄膿症と診断されます。
麻酔からの覚醒が良かったため、日帰りでの手術となりました。
術後は、点滴の通院や抗生剤、鎮痛剤、胃腸薬などでの治療となります。
大きな手術でしたが、術後、ご飯を少しずつ食べ始めてくれています。
手術後5日目、傷口も治りはじめてくれているため、お家でも自由に過ごしていただきます。
お利口さんに傷口のチェックをさせてくれました。
術後12日目
傷口も綺麗で食欲もかなり戻ってきてくれました。
あと少し、抗生剤と胃腸のお薬を頑張って、治療終了の予定です。
チンチラさんの手術は他の動物に比べてリスクの高くなりますが、お気軽にご相談いただければと思います。